(※出典:コピーライティングの仕事を学ぶ。日本最高峰の講師をそろえた地域を変える編集塾-中村禎さん | MACHI LOG )
先日、宮崎県日向新富町で行われた「地域を編集する学校」に参加してきました。
第一回の講師であるコピーライターの中村禎さんの「最も伝わる言葉を選び抜く コピーライターの思考法」という本を、ちょうど2017年末に読んだばかりでした。
地域おこしの活動では、主に発信活動をしており、勝手に「ライター」と名乗って仕事をしてます。
こうしてブログを書くこともそうですが、「文章の書き方」や「発信の仕方」を活動の中で学びながら仕事しております。
ですので、中村さんの本や今回の講座はとても興味がありました。
※講座の様子はこちらでまとめてくださっています。
なかでも、ぼくが個人的に学んだことや印象に残ったことを書いておきます。
世の中のあらゆる仕事はクリエイティブであり、言葉はすべて広告コピーの要素を持っている。
どんな仕事をしていても、「伝える」という要素は必須です。地域の魅力を伝えるためにも「言葉」が重要な役割を果たします。
世の中のすべての言葉は「広告コピー」といっしょだと思っています。
と中村禎さんは語られました。
広告コピーとは、人に伝える言葉であり、すべての「言葉」には「目的」があります。
接客の一言もコピーであり、ビジネスマンの商談だって、駅のアナウンスだって、合コンでの自己紹介も、すべてコピーと同じなんだということ。
伝わるコピーが書けるのは、「文章力」ではなく「想像力」が必要だということ。伝えるための工夫が必要だということを改めて学びました。
たった「ひとり」に向けてコピーを書く
よく文章を書くときや広告を打つときに「ターゲット層」を決めますが、
「ターゲット層なんてどーでもいい」
と、中村さんは言われます。
「15人のために小説を書いています。」という小説家の川上弘美さんや、一人のために作った歌が何百人の人の涙を生んだ半崎美子さんを例にして、語られました。
ひとりに向けて書いた言葉が大勢の心を動かすのですね。
なぜ、たくさん書かなければダメなのか?
「コピーライター」って、才能が必要で、クリエイティブな仕事だと思っていました。
しかし、コピーはすぐ思い付くようなことではなく、その一言の裏にはたくさんの努力が詰まっているのだと知りました。
ダメなコピーも書けないヤツに、いいコピーなんて書けない。(中村禎さんより)
最初に書いたコピーが一番いい、としても、10本書いた1本と、100本書いた1本では強さが違う。
たくさん書くことで、底辺が広がり、高い頂点に達することができるということです。
また、自分の書いたコピーが次のコピーのヒントになり、それを踏み台にもっといいコピーが書けるようになるのです。
シティプロモーションのコピーの目的は何か?
各都道府県で「シティプロモーション」のコピーがたくさんあります。
それらにツッコミを入れられていました。
(たしかに、よくわからないキャッチコピーがたくさんありますね。)
・なぜ言葉が必要なのか
・何を困っているのか
・誰にどう思ってほしいのか
これらがはっきりしていないといいコピーは書けません。
改めて、何が問題で、何をするために言葉が必要で、そのコピーや文章を見た人にどう思ってほしいのか、ということを考えたいと思いました。
いろんなことにツッコミを入れる。
余談ですが、講演後の懇親会にも参加させていただき、中村さんと帰りの駅までご一緒させていただきました。
そのときも、いろんなところの写真を撮ってツッコミを入れられていました。
(九州の在来線では、こんな表記があります)
普段からおもしろい視点で世の中を見てるんだなーと思いました。
▼中村禎さんのおすすめ書籍
動画や写真など、地域の魅力を発信する際のコンテンツはたくさんありますが、本来いちばん強いのは「言葉」なんだと、今回の講演を通じて思いました。
▼今回の講演の内容が詰まったおすすめの本です。
「気づいてなかったけど、言われてみればそれいいね」ということに気づけると、人の心に届くコピーが書けるようになると思います。(本文P49より)
大勢のことを思って何かをつくるのではなく、誰かを思ってつくったものが、結局、大勢の心にも届くのです。(本文P132より)
日記に書くような言葉以外はみんな、誰かに何かを伝えたい「言葉」です。駅の行き先表示も、「ここにゴミを捨てないでください」という警告も、出入り口に「軽く触れてください」と書いてある自動ドアも。街で目にするあらゆる日本語は、誰かが誰かに伝えようとしている「言葉」です。それ、広告コピーと同じなんです。(「はじめに」より)
広告コピーや地域の情報発信に関わる方だけでなく、日本語を使うすべての人に役に立つ一冊かと思います。