(※ゲスト講師のディジュリドゥ奏者GORIさん)
アートヴィレッジ構想を進める愛媛県東温市(とうおんし)で、アーティストを招いたイベントが開催されました。
最も古い管楽器といわれているオーストラリア先住民アボリジニの楽器「ディジュリドゥ」の奏者とのトークイベント「大地の響き」。
今回がvol.1ということで、次回以降も見据えた連続企画のトークイベントです。
東温市で「世界の伝統文化に触れるトークセッション」を開催
1月27日(土)の14時から東温市下林にある「高畠華宵大正ロマン館」で開催されました。
東温市内外から30名が集う
主催をしたのは、東温市移住定住促進協議会(アートヴィレッジ推進部会)です。東温市の関係者を含む約30名が、会場の高畠華宵大正ロマン館に集まりました。
愛媛県東温市では、地元の劇場「坊っちゃん劇場」を中心に、演劇や音楽、美術など、芸術アートを用いたまちづくりを進めています。
今回のイベントは、古くから受け継がれる伝統文化も多く残る東温市において「伝統の継承」について考えるきっかけとなりました。
ゲスト講師は、ディジュリドゥ奏者のGORI氏
今回のゲスト講師は、大阪出身のディジュリドゥ奏者のGORIさん。
1997年にディジュリドゥに出会い、2001年から現地アーネムランドのイダキマスターに師事、(ディジュリドゥのことを現地で「イダキ」と呼びます) 以来毎年現地に赴き、伝統奏法を学んでいます。
現地に入り込んで学んでいるからこそ語れる興味深い話が盛りだくさんでした。
基本的にすべて歌といっしょのため、ソロでの演奏はないというディジュリドゥですが、GORIさんは一曲一曲解説を入れながら演奏してくださいました。
アボリジニは文字を持たないため、ディジュリドゥの曲も何千年、何万年という時をすべて口伝で伝えられているのだそうです。
伝統の継承について考える
(※左は今回のイベントを企画した東温市地域おこし協力隊ムー・テンジンさん)
GORIさんは今回のイベントが決まってから、「伝統」って何なのか改めて考え直したそうです。
経験や知識が何世代にも渡って、研磨されながら引き継がれていく。それらが音楽や絵画という形で現在に再生されるもの。
(※話を聞いた僕なりの解釈です)
伝統は、時間の中で少しずつ変わっていくものですが、その中でも「変わらないもの」がある。
アーネムランドのディジュリドゥは「歌は絶対に一言一句変わってはいけないけれど、ディジュリドゥの演奏は演奏する人が現在にフィットするように変えていい。」と伝えられているのだそうです。
伝統音楽は、「究極の意味では温故知新なのではないか」とGORIさんも言われていました。
想像を働かせるキッカケに
世界の伝統文化に触れることで、「知らない世界があるんじゃないか」という想像を働かせることに意味がある、と語るムー・テンジンさん。(自身もインドの民族楽器シタールの奏者です。)
約20年間、音楽活動のため大阪へ行き、昨年より東温市で地域おこし協力隊として活動されています。一度離れて戻ってきた身として、四国、愛媛、東温市には素晴らしい伝統文化が残っていることに気づいたそうです。そして、合理的にやろうとして削ぎ落としてきてしまった大事なものがあるのではないか?とも感じられています。
今回の企画では、地元の方々にとっても「そこに住んでいると当たり前すぎて見えてこないもの」を改めて考えるきっかけになったのではないかと思います。
「世界の伝統文化に触れるトークセッション」は、vol.2.3...と続いていく予定です。
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会場の「高畠華宵大正ロマン館」さん
今回のイベント「大地の響き」の会場となった東温市下林の「高畠華宵大正ロマン館」さん。
現在、展覧会は1/22で終わってしまっているのですが、今回のイベントの雰囲気にぴったりだったと思います。
公演後には、館内のカフェスペースにて希望者でGORIさんと茶話会も開かれました。
※高畠華宵大正ロマン館さんのホームページはこちら
※ギャラリーの貸し出しも行なっています。
つくるを感じるワークショップ
高畠華宵大正ロマン館さんでは、連続企画「つくるを感じるワークショップ」を開催しています。
▼2/12(月) 13:30〜15:00「髪をアートする」
(※満員御礼)
▼3/4(日) 13:30〜15:00 「人形とは何か」
こちらもご興味のある方はぜひお申し込みください。
※イベントページはこちら
高畠華宵大正ロマン館
住所 : 愛媛県東温市下林丙654-1
電話 : 089-964-7077
会館時間 : 土〜月曜11:00〜17:00