先日、東温市の広報10月号の特集で「生涯ベスト本」を紹介してほしいとのことで、お声がけいただきました。
最近、東温市公式のYoutubeで『TOON BOOK STAND(ブクスタ)』のコーナーができたり、今回の特集であったり、「本」を取り上げてくださってるのを嬉しく思います。
「生涯ベスト本」を選ぶって、なかなか難しいですね。少なからず影響を受けた本ってたくさんあって、テーマを絞らず一冊を選ぶのは難しかったです。
思い返すと、「あ、こんな本も読んだなー」「これのほうがおもしろかったなー」っていう本も出てきます。
ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」を紹介しました【広報とうおん】
10月号の「広報とうおん」を読んでいただくとわかるかもしれませんが、いちばん印象に残っているという理由で、「夜と霧」という本を選びました。留学中に紹介してもらった本で、はじめてちゃんと読んだ洋書です。そのため、たぶん生涯いちばん時間をかけて読んだ本(※日本語版も読みました。)
有名なので、知っている方も多いかと思います。けど、「タイトルは知ってるけど読んだことはない」という方も多そうですね。
精神科医・心理学者のヴィクトール・E・フランクルさんの著書で、第二次世界大戦中のナチスドイツの強制収容所での過酷な体験をもとに書かれた本です。心に響く一節がたくさん出てきます。
「人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない」
「わたしたちにとって、『どれだけでも苦しみ尽くさねばならない』ことはあった。ものごとを、つまり横溢する苦しみを直視することは避けられなかった。気持ちが萎え、ときには涙することもあった。だが、涙を恥じることはない。この涙は、苦しむ勇気をもっていることの証だからだ。」
「生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう」
英語の題は、"Man's Search for Meaning"。原題は、”trotzdem Ja zum Leben sagen”で、「それでも人生にイエスという」という意味です。
どんな状況でも、「意味を見出す」ということが大事であることを学びました。
また、個人的には、スポーツで追い込むときの肉体的な辛さも、人生における様々な精神的な辛さも、「強制収容所に比べたら、全然こんなの大したことない」と思えるようになりました。これは、ノンフィクションだからこそリアルに感じられます。
フランクルさんは、哲学者のフロイトやアドラーにも師事しており、本書の内容にはベストセラーになった「嫌われる勇気」にも通ずる考え方も入っています。
【おすすめ】その他に迷った本を何冊か紹介します
「人生に影響を与えた」「生涯でもおもしろかった」本は、東温市のYoutubeチャンネル『ブクスタ』でも紹介した数冊を含むこの辺ですね↓↓
・「アルケミスト~夢を旅した少年~」パウロ・コエーリョ
・「本は10冊同時に読め」成毛誠
・「暇と退屈の倫理学」國分功一郎
・「サピエンス全史(上)・(下)」ユヴァル・ノア・ハラリ
・「裸でも生きる」山口絵理子
・「あなたのTシャツはどこから来たのか?」ピアトラ・リボリ
(※すべて紹介すると長くなるのでタイトルだけですが、どれも行動や考え方が変わりました。)
あと、ぼくが定期的に「おすすめの本教えてー」と本紹介してもらっている読書家の友人にも聞いてみると、
・「利己的な遺伝子」リチャード・ドーキンス
・「社員をサーフィンに行かせよう パタゴニア経営のすべて」イヴォン・シュイナード
を紹介してもらいました。
「利己的な遺伝子」は、ぼくも学生の頃に読んで衝撃を受けました。。え、利他的な行為も愛とか恋とかも、ぜんぶ遺伝子のせいなのか・・・?、と。
「われわれ生物は遺伝子の乗り物にすぎない」という内容は、まじめに読むと死生観を変えてしまいます。
「なぜ世の中から争いがなくならないのか」とか「なぜ男は浮気するのか」とか、身近な内容も扱っているので面白いです。
秋の読書にぜひ◎
「駅と珈琲」のInstagramでも、ぼくが面白いなーと思ったものを紹介していますので、よかったらフォローしてみてください。