TOON BLOG

2017年4月より愛媛県東温市に移住しました。

「このままでいい」という選択について考える【地域おこし】

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こんにちは。秋のお祭りシーズンですが、東温市は今日も静かですね。

例年なら早朝から「わっしょいわっしょい!・・・粋なあの子の湯上り姿~♪・・」(ここしか歌詞覚えてない)と、けっこうな大音量で愛媛の秋祭りでおなじみの神輿音頭が流れていた。はずなんですが

今年は、例によって東温市の秋祭りも縮小です。イベントもほとんどなく、寂しいなと思う反面、お祭りごとがそんなに好きじゃない(騒ぐのが苦手なだけ)自分にとっては、正直に言うと「こんな年もあっていいかもな~」といった感じです。

 

コロナ後の地域おこし

地域おこし協力隊の任期は終わったのですが、「地域おこし」や「地域活性化」「市のPR」などについて、思ったことは引き続きこのブログでも書いておこうと思います。

www.toon-ehime.com

地域おこしの活動については、任期中も今も、ずっと、違和感というか、もやもやというか、葛藤のようなものを抱えながら動いていました。(ずっとお読みいただいている方はわかるかと思います)

昨年度末からは、新型コロナウイルスの影響で、世間は大騒ぎ。みんな地域のことを考えるどころではありません。抱えていた違和感を見直すきっかけにもなりました。

アフターコロナ。

ウィズコロナ。

コロナで価値観が変わる。

いろんなことが言われるようになりました。

コロナ下の生活がそれまでの生活と比べられ、良いところや悪いところを誰もが肌で感じるようになりました。「失ってはじめて有り難さに気づく」というやつですね。

また、ある意味で「強制された働き方改革」は時代を一気に進めてくれた面もあります。

コロナ後の地域おこしの形も変わりました。来てほしいはずなのに、来てよろこばない人がいる。けど、都会から地方移住を考える方は一気に増えた。リモートワーク。ソーシャルディスタンス。オンライン会議。変わったわけではない地方の魅力が注目されるようになった。

ぼくは久しぶりに都会に行きたい。ときどき人混みにも揉まれたい。オンラインのイベントって正直あんまり参加する気になれない。オンライン飲みも飽きた。安っぽい居酒屋のがやがやした中で飲みたい。リアルな体験の価値がさらに見直されたんじゃないかと思う。

地域おこしで目立つ必要はない

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先日、飲んでいるときに、ふと、この記事のタイトルにもしている「このままでいい」という選択について考えました。飲んでいたので、なんの話してて、なんでそう思ったのか、なぜその言葉をメモしていたのかよく覚えていませんが・・。

「このままでいいのに」という感覚は、田舎の暮らしを見ていて何度も体験しました。これ発信したいけど教えたくないなぁ・・、この時間はスマホに手をやらずに楽しみたいなぁ・・、という瞬間がたくさんある。

けど、誰にも知られずに「このまま」を維持することがどれだけ大変なことか、伝統文化が何年も続いていることがどれだけすごいことか、ということも少しずつ理解するようになりました。

だから、映える写真をとったり、いいところを切り取って発信したり、住みやすさランキング上位になることも大事なのかもしれない。イベントも規模を大きくして、来年も再来年もその次も・・・と、発展して目立つことは大いに意味のあることかもしれない。

それでも、地域おこしで「比べなくていい」ということは絶対だと思っている。よくランキングにされるけど、東温市も住みたい田舎で上位になるけど、そういった数字にはあまり反応したくない。フォロワー数とかいいね数とかもそう。目立つ必要はないと思う。

大事なのは目的を忘れないこと

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地域の発信をしていると、どうしても数値や見栄えの良さ、他の地域と比べてどうなのか、メディアに取り上げられたかどうか・・・などに注目してしまう。けど、大事なのは「目的」を見失わないこと、だと改めて思います。

たとえば、横河原の観月祭や夜市もそう。(今年はできなかったけど) 今では東温市のメインイベントのひとつでもある大きなイベントですが、元々は、日常的にそこで商売している方たちが「ふだん商店街を利用してくださるお客さまに還元するため」に考えたのがはじまり。それがどんどん規模が大きくなり、外からたくさん人が来るようになった。継続も困難になってきている。いい面とよくない面がある。

個人的にはイベントのときだけ外から人がたくさんくるのではなくて、日常的に商店街で買い物する人がいて、日常的にちょっと東温市に行ってみようという人がいる街がいい。それもSNS見てじゃなくて、リアルな口コミの規模で。

大きくしないという選択、続けないという選択、競わないという選択を、人はなかなか選べない。そういう本能なのかもしれない。競わせる教育のおかげかもしれない。わからないけど、「このままでいい」という感覚はときどき思い出したい。

「いい地域」とは、そこに住んでいる人がいきいきと安心して暮らしている地域だと思う。その日常のほとんどは、全くニュースに取り上げられたりはしないけど。